身体の仕組みを知って、心穏やかに幸せに生きる

 Mothers' Earth Spotlight vol.1

須賀 敦子さん

 

20166月、Mothers’ Earth Communityスタートの時から、身体の仕組み・食の大切さについて伝えてきてくださっていた須賀敦子さん。約1年で計21回もの食・身体にまつわる講義やクッキングレッスン、スーパーマーケット実習の講師をしていただきました。(201711月時点)

シンガポール在住8年。4歳の息子さんの1児の母である敦子さんは、子育てをきっかけに、健康、安全な食について勉強を始めたそうです。安全なものを買うことで、体も嬉しい、お財布も嬉しい、そして自分がなにより楽しい、そんな新しいコンシャスリビングの提案を講義の中でしてくれています。

現在は、代替医療啓蒙家としてシンガポール・日本で活躍されている、アレクサンダー陽子先生の元で働きながら、身体の仕組み・食の大切さについて発信しています。


 

 敦子さんが身体について学び始めたきっかけは何ですか?

 

最初に本格的に学ぼうと思ったのは、息子が生まれてからでした。実は妊娠中はあまり気にしていなくて、仕事も忙しかったため、朝食はいわゆるカフェのマフィンとコーヒーで済ませるような生活をずっとしていました。

息子が生まれてからも、昼間は お手伝いさんに育児をお願いして、仕事は続けました。その当時、一緒にいられないぶん、自分にしかできない授乳だけはと思って「完母」にこだわっていました。今考えると、屈折したこだわりですね。

そのとき、自分の母乳だけでむくむくと育っていく息子を目の前に「私の母乳だけでこの子は育っているんだ」と気付いたのです。それはつまり私の食べたものだけで彼の身体ができている、この時にやっと「食べ物に気をつけなくちゃ」思いました。頭では知っていたつもりでしたが、彼の成長を目の前にして初めて、この事実に直面することができました。その事実に気がついても、仕事をしながらは勉強は思うようにできず、仕事を辞めてやっと昼間に時間ができて身体についての勉強を始めました。

 

 どんなことから学び始めたのですか?

 

代替医療啓蒙家としてシンガポール・日本で活躍されている、アレクサンダー陽子先生から学んだことが大きいです。陽子先生の一番最初に受けた授業で私の根底を作ったとても印象に残っている言葉があります。それは「みなさん家電や携帯電話などの取扱説明書は読むと思うけど、身体の取扱説明書って読んだことある?」というもの。

そういえば、肝臓はどこにあるのか、すい臓は? それらの臓器は体で何をしているのか、確かに知らないのです。でも、毎日自分が一番使っている道具(=身体)の仕組みがわからなかったら、そもそもおかしいよね、という陽子先生の言葉に愕然としました。 

 

 何を食べるかよりも、身体の仕組みを知ることが大切ということですね

 

身体の仕組みを学ばず、食の勉強だけしてしまったら「私はこれしか食べません」というような偏りが出たり、あまりにもこだわりすぎて一辺倒になってしまうと思いました。私はそれが嫌でした。「オーガニックしか食べません」という方もいますが、体全体の仕組みを考えると、身体にデトックスできる力がありさえすれば、100%オーガニックじゃなくてもいいのです。
身体のことを知ると、基本的な食の選び方などについて落ち着いて選択ができるようになります。何かあった時に、身体がどうしてそうなっているかがわかれば慌てないし焦らないでいることができます。それができると、心に余裕ができるし、生きるのが楽になります。「いかに健康でいるか」と「心穏やかに暮らす」という事がつながってくると思います。

 

 身体の仕組みをしることで、自分の体を信じることができるのですね

 

身体を信じることは大切なことだと思います。信じるためには、知らないといけない。子どもも同じです、子どもの持っている力を信じられると、むやみに病院に連れていくこともなくなります。なぜ熱が出るのか、咳が出るのか、湿疹が出るのかという身体の仕組みを知っていれば、子供の自己治癒力を信じられます。そうすると治るまで待つ余裕が出てくると思います。

 

 母親として絶対知っておきたい事ですね

 

でも、いろんな方がいて「知ること自体が怖い」と言われたことがありました。それも一理あるなと思うのですが、でも私は母親として情報は武器になると思うから知っていたほうがいいと強く思います。今の時代、メディアの宣伝や情報が正しいとは言い切れません。経済の流れを理解して誰が何のためにこの情報を流しているのか理解しないといけない。家族の健康を守るためには、情報を自分で選択していかないといけない時代になりました。

 

 

今と昔に情報の差はありますか?

 

昔は危ないものが少なかったし、コミュニティーを作って生活できていたから、昔ながらの生きる知恵が沢山あって、「風邪ひいたら薬」じゃなくて「梅干し溶いて飲ませて寝てればいい」など、女性同士が情報交換して助け合いながら生きてきたと思います。昔からの生活の知恵を代々教えてくれる上の方たちが常にそばにいて、新米のお母さんの悩みや不安を「大丈夫!」ってしっかり言ってくれるおばあちゃんがいました。

しかし、昔ながらの助け合いの中でできていた子育てが、今はそう簡単にできません。みんな離れて暮らしているし一人でマンションで子育てして、隣の人がどんな人かわからなかったりする時代です。その中でどう自分で情報を集めようかと思った時に、インターネットに頼っても正しい情報を見つけるのは本当に難しいものです。インターネットで検索する時はその情報を発信する側の背景を考えないと、発信側の都合の良い理論があたかも正しい事のように語られていることがあります。

 

ではどのように正しい情報か判断すればいいのでしょうか?

 

情報を精査できる方法が「身体の仕組みを知ること」だと考えています。
インターネットでも、完全に間違っている情報はあまりありません。ただそれが、全ての人に当てはまる情報ではなかったり、偏った視点でみられたものだったりする。だから身体の仕組み、取扱説明書さえ知っていれば、いろんな情報に惑わされず、自分で判断ができるようになると思っています。

 

 

身体の仕組みを知る方法は色々あると思います。自分で勉強したり、自然な食品を食べる事で感覚を研ぎ澄ませたり・・・敦子さんはどういう方法がいいと思いますか?

 

両方大切なことだと思います。

自然な物を食べる事で野生の感を研ぎ澄ませて、これは食べていいものという身体の声を聴けるようになるのは、ある意味、知識を得るより大事なことだと思います。言い換えるとサバイバル能力、どこに行っても生きていける強さにつながると思います。実は私は、沢山の情報を頭に入れるより、本能を研ぎ澄ませる方が、重要かなと思っています。そのために必要なのは、まず一つは人工的に作られた調味料や添加物をできるだけ避けること。人工的な調味料は味覚も狂わされるし、脳が満腹と感じる満腹中垂も乱されるからたくさん食べてしまうことになります。
本来、人間も動物と一緒で、おなかがすいた時に「食べたい」と欲するものが、体にとって必要な物です。私も最近ようやく身体の声が聞けるようになってきましたが、食に気を付け始めてから、
3年ぐらいかかりました。

ちなみに、体は作り替わるのに5年かかると言われていて、例えば慢性的な皮膚炎などがある人も、体の仕組みがわかった上で、食生活を変えて35年で治ると言われています。食生活を変えて何か変化を感じ始めるのは2年〜2年半です。でも、例えば加工パンを食べるのをやめるとか、出来合いの調味料を使わない事を実践するだけで、数か月した頃から少しずつ体の声が聞こえるようになって来ると思います。

 

野生の勘は子どもの方が鋭いような気がするのですが、どうでしょうか。

 

その通りです。例えば、ちょっと極端に聞こえるかも知れませんが 身体の仕組みからすると子どもは野菜を食べなくて大丈夫です。でも一般的に「野菜は健康のために子どもに食べさせないといけない」いう考えが主流ですね。子どもが仮に野菜を食べないと、お母さんは心配になって無理矢理食べさせることもあるかもしれません。お母さんは子どものために、野菜を食べさせたい一心で、「テレビを見たかったら、野菜を食べてからね」と言うとしましょう。子どもにとっては必要がないから食べたくないのに、テレビが見たいから食べる。こういうことを繰り返していると、 残念なことに子どもは本能を無くしていってしまうのです。

子供は本来、何が体に必要なのか分かっています。彼らが「食べたくない」というなら、食べさせなくていいのです。しかし、もし頻繁に菓子パンをあげていたとしたら、その感覚は狂ってきています。子どもがむやみやたらに「菓子パンやお菓子が欲しい!」と言うとしたら、それは身体が欲しているのではなく、中毒になっている状態です。だから大切なことは、味覚を狂わせるものをあげないこと。強制的に何かを食べさせるようなことをしない、そして何が食べたいか考えさせることも大事です。息子にも「何が食べたい?」と聞くと、たまに「ブロッコリー!」とか言うのです。それはその時体が欲しているものということです。

 

子供の本能を守るために日々できることはありますか?

 

子供が4歳くらいになったら、自分の手元にご飯とお味噌汁と漬物を出して、主菜と副菜は大皿で出して「ほしいものを自分でとって食べる」という昔ながらのスタイルが理想的だと思います。そのスタイルだと、完璧な形で生まれてきてる子供の本能を殺さないし、それって親が子供にできる数少ないことの一つだと思います。そうすれば強い体の子供になるし、味覚が鋭ければ毒々しいものは自分から食べなくなると思います。

子供の本能を残してあげられるのは母親ができる最高のギフトだと思っています。今後の世の中の食の環境がより良い方向にいくか?と思うとそうではない気がしています。これから世の中に飲まれて流されないために、サバイバル能力、考える力、感じる力を子供たちの世代には持たせてあげたいと思います。

 

 

現在Mothers’ Earth Communityの講師として、色々な角度からお伝えいただいている敦子さんですが、学んだ事をお母さんたちへ伝えたいと思ったきっかけは何でしょうか。

 

仕事をやめた後、2年程いろいろな先生から学ばせて頂き、自分の中にいろんなインプットをして来て、でもアウトプットはしてきませんでした。身体を学んだことで入れたものを出すという循環が、自然の流れであって、インプットだけではその流れに逆行していると思いました。学んだことで自分では身体の事がわかってきたけど、それを自分のところで留めておくのは、勿体無いし先生たちもそれを望んでいないのかな、と思いました。実は人前に立つの はあまり好きではないのですが、自分の中でも循環していかないのはおかしいと思い始めるようになりました。ちょうどそんな事を考えていた時に、Mothers' Earth Communityを立ち上げたいという菜穂子ちゃんとの出会いがあり、背中を押してくれて「やってみてもいいかな」と思って始めました。

 

マザーズアースコミュニティーはどんな場所だと思いますか?

 

すごくいい場所だと思います。昔は井戸端会議で情報交換をしながら子育てができていたけど、それがない今、このコミュニティはその同じような役割を果たすと思います。例えば女性って、子供や旦那さんとの悩みとかを皆に話すことでリリースされることってあると思うんです。同じような考えを持っているお母さんたちが集まっていて、そこで母親として大切な事について勉強もできる。似たような価値観のお友達もできて、弱音や悩みをシェアできる。これはまさに昔の井戸端会議と同じ役割を果たせていると思うので、お母さんたちにとっていい場所だと思います。
毎日の子育てって本当に大変なことだと思います。サポートしあえる仲間がいるかいないかで、お母さんの心の健康度、幸せ度が違ってきます。やっぱり母親として、いつも笑顔でいたいというのはみんなの願いですよね。でもそれって実は難しい。でもこのコミュニティがあることで、母親としてのハッピー度をあげられると思います。

 

母親のハッピー度はとても大切な事だと私も感じます

 

実は食べ物に気を付けるよりも、母親がハッピーである方が子供が健康に育つと思っています。ここまで体の話しているけど(笑)でも本当にそうだと思います。だからこのコミュニティはすごくいいです!
でも、教えていて同時に、みんなの知識はまだまだ足りないと思うし、持っている知識が断片的なので、全部がつながるような手助けができたらいいな、と思っています。

 

 

● 3年でここまでの膨大な知識を学んだ敦子さんは圧倒的な勉強量だったと思います。なぜここまで短期間で食のプロフェッショナルになることができたのでしょうか?

 

私自身、知的好奇心がいっぱいなんです(笑)知ることが楽しくて仕方ない。
あとはすごいスピードで日に日に大きくなっていく子供が目の前にいて、「早く知らないとどんどん大きくなってしまう!間に合わない!」という思いがありました。予防接種や離乳食のこととか急いで勉強しないと間に合わない!ていう焦りが常にあったのかもしれません。だからスピード感は子供がいたからかもしれないです。

睡眠時間を削って勉強していたけど、学んでいくと自分の体をベストコンディションに持っていく方法がわかるし、体のエネルギー量も増えていくから、夜寝る時間も削れるようになりました。だからいいサイクルが回ってきてできたというのもあるのかもしれません。

 

敦子さん自身は、どんな母親でいたいですか?

 

常に笑顔でいたいです。子どもには勉強ができることよりも、自分で考える力と感じる力が自然に備わっていくような育て方をしたいなと思っています。私は息子に「今日は何が食べたいか」を聞いて、自分で考えて選ぶことが習慣になるようにしています。下痢になったらその仕組みを子供が分かる範囲で説明します。そうすると体調が悪い日には自分で冷たいもの食べない、お誕生日会などでお菓子が出たら、数を決めて食べるなど、自分でできるようになって来ました。食は13回あるチョイスの場。子供にとって、感じて、考える、とてもいい機会です。

 

● 敦子さんはどんな未来を見て発信をしているのでしょうか?

 

私が何を目指して情報発信をしているかというと、本当に一言、次の世代の子供たちを健康にしたい、そして彼らの生活の場である地球をより良い形で手渡したい、という思いだけです。子供たちは自分で選択できないから、お母さんやプレママに体のことを知ってもらいたい。それがわかったら子供の将来が全然違うものになると思うし、ママたちも楽になると思う。知るのが怖いっていう話もあったけど、知った方が選択肢が増えるし、絶対に楽になると思います。